第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集

第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集 page 31/52

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侭事とハンディキャップ誰錐文の題は入賞作品本人が付けたもので実1テーマ、私の理想とする職業人1万「仕事」というと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるだろうか。ある人は、「仕事をする事が自分の生きがい....

侭事とハンディキャップ誰錐文の題は入賞作品本人が付けたもので実1テーマ、私の理想とする職業人1万「仕事」というと、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべるだろうか。ある人は、「仕事をする事が自分の生きがい」、ある人は「仕事はとても楽しい」、などと答えるであろう。しかし、中には「仕事を毎日する日々は辛い」、「仕事上の人間関係などからくるプレッシャーで心が折れそう」と答える人もいるかもしれない。だが、私は毎日が忙しくても何か働き甲斐を感じたり、楽しいと思えたりする事は、どんな職業においても山ほどあるかもしれないと思うっ。最初のうちは、どんな仕事であっても、先ほど述べた通りプレッシャーで心が押し潰されそうになって辛くなる事は、誰にだってありがちな事だろう。でも、その中で辛い状況に耐えつつも、様々な経験を積む事を通して学んでいけば、いつかきっと必ずその苦労が報われる時がくると確信している。その時こそが、その仕事に対する充実感、楽しさ、やりがいを本当の意味で実感した時であると思う。私は軽度の自閉症を抱えていて、普通の人と同じようにコミュニケーションをとるのが難しい。このため、特に幼稚園時代や小学校時代は対人関係等のハンディキャップで、ごっこ遊びといった何人かでする遊びや運動ができず、「親友」といえる友達を作ることができなかった。自分が自閉症という障がいを持っている事を母から聞いたのは、小学校6年生の頃であった。それまでは、自閉症という言葉すら知らなかった。中学に入ってからは、「親友」といえる友達ができて、コミュニケーション力も向上したものの、やはり自分の言いたい事をうまく一唾..;』人に言えなかったり、場の空気の読めない発言を悪気がなくても出てしまって、迷惑を掛けてしまう事が度々ある。その事で自分が障がいを持っている事に対して、コンプレックスを抱いて自分が嫌になる事もあった。専修学校2年と3年の時にインターンシップを経験して、その中で「働く事の意味」や「職業観」を肌で感じる事で、より一層学んだ。この時も障がいのある自分でも仕事をする事ができるのか、という不安と大変そうなイメージがあった。ところが、いざ仕事を体験してみると、周りの方が丁寧に仕事を教えてくれた。また様々な配慮もあって、どんな仕事にも安心して楽しく取り組めた。振り返ってみれば、私のように何らかのハンディキャップを抱えている人でも、抱えている欠点を克服していこうという前向きな気持ちや努力、働く意欲、周りの理解があれば、最初のうちは苦労する事があっても、楽しく仕事に取り組むことができる。そして日々やりがいを実感し、充実した人生を送っていけるのだと思う。もし、周囲の理解がなければ、今の学校生活、インターンシップはよいものにならず、日々自分の居場所と心が窮屈に思えていたかもしれない。だから、障がいの有無に関わらず、ありのままの自分らしさを出して楽しく仕事をする。なおかつその仕事に対するやりがいを日々実感する事で、人生を充実させる要素の一つにできる人、一緒に働いている人の特性やハンディキャップをしっかりと理解して、相手が気持ち良く働けるように配慮する事のできる人が、私の理想の職業人である。武蔵野東技能高等専修学校3年のりお森数矩堆