第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集

第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集 page 33/52

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ノ母が教えてくれたこと入賞作品懇瀞:けたダ文の題は本人が付けたもので式iテーマ砂好きな仕事で、夢をかなえる! 1鹿児島県立野田女子高等学校専攻科2年倉津麹子国私には、看護師になりたいという中学の頃からの夢が....

ノ母が教えてくれたこと入賞作品懇瀞:けたダ文の題は本人が付けたもので式iテーマ砂好きな仕事で、夢をかなえる! 1鹿児島県立野田女子高等学校専攻科2年倉津麹子国私には、看護師になりたいという中学の頃からの夢がある。私が看護師になろうと思ったのは、母を病気で亡くしたことがきっかけである。母が病気で苦しんでいる時も、息をひきとったあとも、何度も声をかけながらケアして下さる看護師の姿を見て、自分も病に苦しむ方々に寄り添える看護をしていきたいと思い、看護学校への進学を決意した。看護を学び始めて今年で5年目の夏を迎え、来年からは実際の医療の現場に立ち、看護を提供していくことになる。私はこの5年間の中で行った病院実習を通して、看護師という職業の素晴らしさを身にしみて感じた。患者と関わり看護していく中で、私には理想とする看護師像がある。まず一つ目は、患者一人ひとりに目を向けて看護できる看護師である。患者は同じ病気で入院していても、一人ひとり発達段階や性格、ものごとに対する価値観や考え方が違っているのは当たり前のことである。ただ病気だけをみていくのではなく、患者を一人の人間として全体的にとらえ、その患者にとってどういう看護を行っていくことが最善であるかを考え、病気と闘う患者にとって少しでも安らげる看護を行っていくことが大切であると感じ、そんな看護を行っていける看護師になりたいと思った。二つ目は、いつも笑顔で患者と接することのできる看護師である。私は昨年の実習で、歳代の男性を受け持った。患者は脳出血をおこしていたために、ベッド上安静の指示がでていた。いつものように患者の病室に伺った際、「あんたが毎日ここに来て笑ってくれると嬉しくなるんだよ。いつも楽しみで待ってる。」と言っていただいたことが二竺逮iiあった。私はその言葉を聞いて嬉しい半面、患者の感じていた孤独を知り、悲しくなった。患者は白い壁とカーテンで囲まれた病室という殺風景な空間で、病気や障がい、治療に対する様々な思いを抱えて生活しているのである。患者と毎日顔を合わせ、話をする機会のある私たちにとって、患者が入院に伴って感じているストレスを軽くし、笑顔を与えることが看護であると実感した。皆さんは、看護師という職業に対してどのようなイメージを持っているだろうか。注射をしたり、検温をしたりというイメージが強いのではないかと私は思う。私自身もそういうイメージが強かったのだが、実際の現場を見ると、入浴の介助をしたり、食事の介助をしたり、入浴できない患者には手や足を洗ったりもするのである。もちろん、患者とコミュニケーションをとり、患者の抱く思いに耳を傾けることも看護の一つなのである。私はこの事実を知って、ただ病気をみるのではなく、患者自身を見つめ、患者の〃生きる力“を引き出すことが看護であるということを実感した。私は母の死をきっかけに、命の尊さ、そしてその惨さを痛感し、看護師を目指すことを決意した。母は私に身を持ってこのことを教えてくれた。今の自分には、看護師になるためにまだまだ不足していることがたくさんある。母からもらった最後のメッセージを胸に、看護に必要な知識・技術・態度をしっかりと身につけ、天国の母に恥ずかしくないよう胸を張って看護をしていきたいと思う。母もきっと、私のことを見守ってくれているだろう。