第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集

第8回 全国高校生・高等専修学校生『私のしごと』作文コンクール入賞作品集 page 49/52

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’jobサミット小島皆さんの思いは確かに伝わりました。震災をひとごとと捉えるのではなく、自分に結びつけて受けとめる姿勢に感心しました。最後に、この場でほかに伝えたいことはありますか。本橋先ほどの表彰式の....

’jobサミット小島皆さんの思いは確かに伝わりました。震災をひとごとと捉えるのではなく、自分に結びつけて受けとめる姿勢に感心しました。最後に、この場でほかに伝えたいことはありますか。本橋先ほどの表彰式の謝辞でも言いましたが、就職はゴールではなく通過点です。私の母は教師をしており、結婚して初めて畑仕事を経験しました。父はツアーコンダクターになりたかったそうですが、長男なので農家を継ぎました。私も文章に関係した仕事に就きたいと望んでいますが、そう簡単にはいかないでしょう。でも、好きな仕事に就けなかったら人として負けなのかといえば、そうではありません。社会の中で初めて自分が「職業」という役割を得たときに、そこから楽しみを見つけ、それを生きがいにできるかどうかが、仕事を自分のものにできる人と、そうでない人の違いなのだと思います。ですから、「何になりたいか」という夢も確かに大事ですが、「どのように働けばいいか」という点をもっと考えるようにすれば、職業人になったときに頑張れるのだと信じています。小島私が言いたいことをすべて言い尽くしてもらいました。他にも示唆に富んだ発言がたくさんありました。皆さんありがとうございました。げ、乗り越えていく。書くことを通じて自分を見つめ直した受賞者の皆さんは、jobサミットでも大切な言葉を数多く伝えてくれました。今回の応募作品を通じて感じたことは3つあります。1つは、全体的に命の大切さを訴えるものが非常に多かったこと。2つ目は、/ 、入賞作品のうち蜂須賀さんの作品は、農家に生まれ食品に関わる勉強をする中で、食は命の根源だと理解を広げています。「いただきます」という言葉の大切さも含め、生きることは生かされてパネラーの皆さんの話を聞いていると、それぞれが書くことを通じて自分を見つめ直し、自分の考えを整理し、より広い視野を獲得していることがよく分かります。指導する側からいえば、高校、高等専修学校のキャリア教育において、何を書かせるということが、生徒の論理的思考などを伸ばす上で非常に大切だと実感しました。いる、全てのものが支えあっているという、普段忘れていたことを思い出させてくれました。児玉さんの作品には、自分が書くだけに留まるのではなく、他の人に伝えていく「文章の力」に対する気づきが描かれています。つらい経験を糧にして福祉の仕事を目指す山崎さんの作品から山野晴雄先生ノ助言者講評書くことは生徒の論理的思考を伸ばす国は、山崎さんが真の強さを持ち、他者に対して温かい気持ちを抱く青年であることが伝わってきます。本橋さんは3年連続で応募されていますが、そのことが逆に職業について様ざまに考える契機になっています。うまく表現できないという挫折を、やはり文章を書くことによってさらに視野を広、ました。厳しい現代社会の中で、若者達がどういう風に仕事を捉え、どのように生きていこうとしているのか。これは私達大人にとっても重大な関心事です。ぜひ来年もたくさん応募していただき、仕事に対する考え方を聞かせてほしいと思います。農業高校に学ぶ生徒の作品に、米作りや園芸、畜産、食品加工といった仕事への強い思いを綴ったものが目立ったことです。3つ目は、着物や福祉など、高等専修学校生の作品にはっきりとした目的意識が伝わるものが多いことでした。全体的な質も昨年より高かったと思います。これまでは内容が良くても文章力が伴わない作品も目立ちましたが、今回は特に職業教育を受けている生徒の作品に、文章力と内容が噛みあったものが多く、審査員の心に響きました。一方で、残念ながら東日本大震災を題材にした作品は、数も少なく、審査員に訴えるものも見られませんでした。1年半が経って、震災に対する高校生の意識の風化を感じ